1976年から40年に渡って1号も休むことなく週刊少年ジャンプで連載を続け、201巻の単行本が発行された秋本治による大人気マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下:こち亀)。その舞台である葛飾区亀有の地に、2025年3月22日にオープンしたのが「こち亀記念館」です。
主人公である両津勘吉(以下:両さん)が、派出所を勝手に改造したという設定で作られた建物には、「両津大明神」をはじめとした作品の中に登場した施設や発明品をそのまま再現したコーナー、筆使いまで再現された複製原画のギャラリー、マンガにも登場した秋本先生の秘蔵コレクションの展示と内容も盛りだくさん! 入った瞬間「こち亀」ワールドに浸れる施設となっています。
また、1階にある「両さんの亀有ベース」では、亀有を中心に葛飾区内の様々なスポットや、「こち亀」にまつわる施設・イベントを原作の1コマと共に紹介するスペースもあり。下町観光の拠点としてもオススメです。
「こち亀記念館」の1階エントランス部分は、劇中に出てくる派出所のような作り。入ってすぐ左には両さんのデスクも再現されています。マンガでおなじみの景色を眺めていると、いまにもラジオを聴きながら競馬新聞を読む両さんや、書類を手にした大原部長が目に浮かびます! 派出所内には麗子の机も再現され、かわいらしいティーカップや編みかけの毛糸などが並んでいます。編み物の本に並んで、護身術のファイルが置かれているのも麗子らしいポイント!?
1階で受付を済ませたら、逃げた両さんを追ってエレベーターで5階「両津勘吉誕生!」へ!
ここでは秋本先生の手で“両さんが生まれる瞬間”を公開中! このほか、これまでに発売された「こち亀」グッズの数々や、秋本先生による秘蔵のコレクションを展示しています。
そして5階フロアの半分を占めるのは、作中で両さんが設立した「両津大明神」です。残念ながら、部長によってお賽銭箱は入れられないように塞がれていますが、願い事をすれば叶えてくれる…かも?
館内は“部長から逃げた両さんを追いかける”という構成。通路や階段など、いたるところで両さんたちの姿が見られます。
「両津大明神」の境内にあるカプセルマシンでおみくじ(100円)が引けます。約50種類から、どんなキャラクターが出るかはお楽しみ。
産湯をイメージした円形スクリーンの中には、秋本先生の手で両さんが描かれる過程を映像で見ることができます。
こちらの棚には秋本先生が所蔵する様々なコレクションを展示。「こち亀」の作中に出てきたアイテムも多数!
続く4階は「こち亀の作品世界」と題して、40年以上に渡る連載の中から厳選されたエピソードの複製原画を展示しています。両さんと部長による仁義なき(?)戦いの歴史や、あの手この手で行なった商売の数々、下町人情に溢れた少年時代の思い出など、幅広い世代がジャンプで読んだり、アニメで目にしたエピソードが集まっています。
さらにフロア中央にある巨大モニターでは、201巻ある原作単行本を凝縮した映像を上映。あなたの好きな両さんもこの中にいるはず!
長い連載の中から珠玉のエピソードを展示。1980年代にはオンライン会議が作中で行われているなど、先見の明にびっくり!
こちらは「こち亀記念館」のオープンに際し、秋本先生が描きおろしたイラスト。右の絵で両さんが作っている模型は…。
大型ディスプレイでは、おなじみのキャラクターたちが次々と登場。原作マンガ201巻分のデータがズラリと並ぶ表示も圧巻。
ハチャメチャな騒動を巻き起こす両さんですが、人情味あふれるエピソードも「こち亀」名物。なかでも幼少期は名作ぞろいです。
「こち亀のあそび場」と名付けられた3階は、「こち亀」に登場した様々な発明品やゲームなどを再現した体験型コンテンツのフロア。
一時は両さんが大もうけをした等身大の麗子リアルドールや、悪筆で有名な両さんの文字を解読する「クイズ両さん文字解読」、あなたの性格がどれだけ両さんに近いかを診断してくれる「AI人格診断!? 両さん度チェッカー!」など、様々なゲームを楽しめます。すべて無料でプレイできるので、ぜひ遊んでみてくださいね。
原作にも登場した等身大麗子フィギュアとともに、麗子との相性診断ができる機械も。あなたとの相性は何パーセント?
両さんが部長とゴリラの画像を組み合わせていた機械を再現! カメラで自分の顔を取り込んで、部長の顔と合成できます。
様々な屋台が登場するエピソードの中に出てきた、横ではなく縦に回転する“回転寿司”。再現度の高さにびっくり!
両さんが本物のお坊さんと対決した、リズムに合わせて木魚を叩く“音ゲー”も。思い切り木魚を連打できるのはここだけ?
2階フロアは「わしのためのフロア」と名付けられた通り、両さんのふたつの部屋が作られています。自室を再現した部屋には、万年床に干しっぱなしの洗濯物がぶらさがり、テレビゲームのコントローラーや酒瓶が放置されています。一方、建設費をつぎ込んで作った永久名誉館長室は、真っ赤なカーペットにシャンデリア、高そうな机やキャビネットには、両さんの好きそうな物が陳列されています。
ここでは、4年に一度しか目覚めない日暮巡査の部屋ものぞけますよ!
超ゴージャスな館長の机には、作りかけのプラモや競馬新聞、ラジオなどが…派出所の席がきれいだったのはそういうこと?
引き出しにある両さんの始末書は、おひとり様1枚おみやげとして持ち帰れます。でも、文章も誤字も両さんらしい内容です。
干しっぱなしの洗濯物や、乱れたままの布団など、生活感にあふれた両さんの部屋。コタツの上やテレビ台の中まで原作ネタが。
4年に1度しか目覚めない、通称“オリンピック男”こと日暮熟睡男の扉が…。中がどうなっているかは見てのお楽しみ!
1Fにある「両津ストアー」では、ここでしか買えないこち亀グッズを販売しています。
「こち亀」らしさを感じるのが、「大人の鉛筆」シリーズで有名な北星鉛筆や、伝統的な和晒(さらし)を製造する東京和晒、モンチッチで有名な玩具製造のセキグチなど、地元葛飾の企業とコラボした商品の数々。
「こち亀記念館」のオリジナル商品としては、「クリアファイル(各440円)」や「ポチ袋(660円)「ふせん(2種/440円)」などもオススメです。
オープン記念の秋本先生描きおろしイラストを使った「こち亀クリアファイル」。始末書などの管理にぴったり!?
葛飾区にあるセキグチ製造の「モンチッチ ©Sekiguchi」と両さんのコラボグッズも。写真のビッグサイズのぬいぐるみは非売品です。
「こち亀」の世界は「こち亀記念館」の中だけではありません! 亀有、そして葛飾区には作品の舞台となった場所がいっぱいあります。そんな葛飾区内の名所やイベントの数々を、写真や原作の1コマを抜き出して紹介しているのが1階「ようこそ亀有へ!」のスペース。
また、作品名にも含まれている「亀有公園」をはじめ、JR亀有駅の北口や南口のロータリーなど、色々な場所に両さんや中川、麗子、本田の銅像が設置されているので、作中の舞台を巡ってみてはいかがでしょう。
1Fにあるマルチディスプレイ「亀有両さんぽ」では、周辺の観光スポットやイベントの情報をチェックできます。
JR亀有駅南口ロータリーのベンチには、ベンチに座る等身大の両さんが! 隣に座って記念撮影ができるフォトスポットです。
©秋本治・アトリエびーだま/集英社
モデル:小林真琴