株式会社東京都観光汽船が運営する、隅田川や東京湾で運航している水上バスが「TOKYO CRUISE」です。浅草から日の出桟橋や、日の出桟橋からパレットタウン〜有明を結ぶ「定期便」のほか、季節や特定のイベント日限定の「イベントクルーズ」や、クルーズ船を貸し切っての「チャータークルーズ」などのサービスを行っています。
運航している船にも色々な種類がありますが、中でも注目なのが、『銀河鉄道999』や『キャプテン・ハーロック』などの作品でも有名な、マンガ家の松本零士氏がデザインしたヒミコ・ホタルナ・エメラルダスの姉妹船たち。流線型のフォルムにシルバーの船体は、見た目だけでなく船内から外の景色を楽しむのにも最適なデザイン。隅田川にかかる有名な橋をくぐるときは、思わず「おぉ〜」と声が漏れてしまいます。
クルマや電車での観光とは、一味違った景色を楽しむことができる水上バス。いままで見ることができなかった東京の姿を見ることができますよ!
松本零士氏がデザインした斬新な近未来的なフォルムが特徴の「ホタルナ」は、約120人の乗船が可能なメガクルーザー。高いデザイン性と居住性を両立した空間インテリアのデザインは、数々の建築受賞歴を持つ永山祐子氏の手によるものです。日が暮れるに従い、後部の窓ガラスから淡い光が放たれることから、松本零士氏が「ホタル」と「ルナ(月の女神)」から名付けました。
また姉妹船の「ヒミコ」は、船上バー「JICOO」としてナイトクルージングに就航しています(2021年8月22日まで緊急事態宣言に伴う臨時休業中)。
乗船口はガルウイングで上方に開くと、床面には誘導灯が光り、まるでアニメの宇宙船に乗りこむような気分に!
船内には『銀河鉄道999』のメーテル・鉄郎・車掌による、会話形式のナレーションが流れ、見どころをアナウンス。
曲面のガラスを多用したデザインは、船内が明るく外の様子が良く見える実用性を伴ったもの。
船首にある操舵室はガラス張りになっているので、前方の席からキャプテンが操船する様子を見ることができます。
今回は「ホタルナ」が運航する、浅草〜日の出桟橋ルートの見どころをご紹介! 乗船場所である浅草の船着場は吾妻橋のたもとにあり、「アサヒグループ本社のオブジェ」の目の前から出航。「スカイツリー」を左に眺めながら隅田川を下り、「蔵前橋」や「両国橋」をくぐり抜けていきます。数々の橋をくぐるこのルートでは、真上が見える「ホタルナ」は相性抜群! 「中央大橋」では「メッセンジャー像」をわき目に進むと、左には「石川島」のビル群が出現! 「勝鬨橋」と「築地大橋」をくぐり抜けたら、いよいよ東京湾へと出ていきます!
乗船場所の浅草から出航時にUターンするので、左右どちらの座席からも「スカイツリー」の姿が楽しめます。
浅草〜日の出桟橋ルートでは、吾妻橋からレインボーブリッジまで、計14本の橋をくぐります(鉄道橋を除く)。
「聖路加ガーデン」は、聖路加セントルークスタワーと銀座クレストンを繋ぐ渡り廊下が特徴的。
かつて造船所としてにぎわった「石川島」は、いまや超高層ビルの立ち並ぶ姿に。真下から見上げるビル群は迫力満点。
1989年に隅田川とセーヌ川が友好河川になったことを記念して、パリ市長から送られた「メッセンジャー像」。
後ろに見えるのは、日本に残る数少ない跳ね橋の「勝鬨橋」。隅田川にかかる橋はどれも個性的です。
天候などの条件が良ければ「築地大橋」を抜けたあたりで屋上デッキが解放され、船上からの景色を楽しむチャンスです! 海風を全身で感じながら、東京湾の景色をぜひご覧ください。右手に見える生い茂る緑が「浜離宮恩賜公園」で、少し進むと「東京タワー」の姿も拝めます。「晴海ふ頭」を左手に東京湾内を進んでゆき、「レインボーブリッジ」をくぐり抜けたらUターン。少し戻って目的地の日の出桟橋へと向かいます。
当日の天候などの条件次第では、屋上デッキが解放されます。アナウンスがあったらホタルナ後方の階段から外へ!
隅田川の真ん中で、橋をバックに記念写真を撮れるのは水上バスならでは。手すりもあるので安心です。
東京とは思えない豊かな木々が見えたらそこが「浜離宮」。ビルの間から姿をのぞかせる「東京タワー」もお見逃しなく!
東京湾を進むと左手に現れる「晴海ふ頭」。国内外の豪華客船が停泊していることもある、注目スポットです。
浅草〜日の出桟橋ルート最大の目玉が、この「レインボーブリッジ」遊覧! その大きさを改めて実感しちゃいます。
「レインボーブリッジ」を抜け、「お台場」や「フジテレビ」の社屋にご挨拶したら、日の出桟橋へUターンします。
「TOKYO CRUISE」では、今回ご紹介した「ホタルナ」の他にも、姉妹船の「エメラルダス」や「ヒミコ」、約300人の乗船が可能な「竜馬」や「リバータウン」など、様々な船が運航しています。ルートも浅草〜豊洲や日の出桟橋〜有明など、それぞれに見どころがあるのでぜひ一度ご乗船ください。
なお、2021年6月21日から9月19日の間は、オリンピック開催に伴い、一部航路に変更があります。最新の運航情報は、公式サイトでご確認をお願いします。
松本零士氏のデザインシリーズ第3弾が、こちらの「エメラルダス」。浅草〜豊洲ルートで運航しています。
約300人の乗船人数を誇る「リバータウン」。ほかにもアメリカンな内装の「竜馬」など、様々な船が運航しています。
「TOKYO CRUISE」では、特定の季節やイベント日にクルージングを楽しめる、「イベントクルーズ」を運航しています。桜の季節に隅田川沿いの桜やライトアップされた夜桜を楽しめるコースや、隅田川の花火大会やとうろう流しを水上から楽しむことができるクルーズ、さらには初日の出を水上から拝む初日の出クルーズなど、企画も色々!
これらの「イベントクルーズ」は予約制となっており、最新の運航情報や予約は公式ホームページでご確認を。
モデル:武田奈々(tfac)