突然やってくる地震や台風などの災害に備え、いざというときの対処方法や普段の生活の中でできる準備を、楽しく体験・学習できる施設が『埼玉県防災学習センター そなーえ』です。
1階フロアには実際に日本を襲った地震と同じ規模の揺れを再現する「地震体験コーナー」や、訓練用の消火器を使って火災の被害を最小限に留める「消火体験コーナー」を設置。また、「東日本大震災」や「熊本地震」など、実際に起きた災害で壊れた看板や家具など、被害の大きさを知ることができる展示が用意されています。
2階フロアは、災害に備えて日頃から用意しておくと便利なグッズや、防災に役立つ豆知識などを学ぶことができる学習コーナー。なかでも、2階の壁一面に描かれた「埼玉防災絵巻」は、災害の発生前から復興までの流れをイラストでわかりやすく解説しており、この絵巻の内容を展示物でより詳しく知ることができるようになっています。
いつ起こるかわからない災害に、ご家族で安全意識を高めるためにも訪れてみてはいかがでしょう?
過去に起きた地震と同規模の揺れを、体験することができるのがこちらの「地震体験コーナー」です。
大型モニター前に設定されたコーナーでは、映像とともに体験エリア全体が震動し、地震を疑似体験することができます。
大地震の揺れは、「来る」とわかっていても誰もが転倒してしまうレベル。開始前にしっかりバーをつかんで、安全にご体験ください。
なお、こちらのコーナーは年齢制限などはありませんが、安全のため一人一人間隔を空けてのご参加となりますのでご注意を。
「東日本大震災」をはじめ、実際に起こった地震の揺れを再現。当時を知らないお子様もぜひ一度ご体験ください。
埼玉県でも震度6弱を記録した「東日本大震災」。大型モニターに映し出される棚や電灯が揺れ、臨場感抜群です!
火災の被害を最小限に留めるため大事なのは「初期消火」、そこで活躍するのが消火器の存在です。この「消火体験コーナー」では、消火器を使った初期消火を体験できます。
まずはスタッフに消火器の正しい使い方を教わり、続いて大型モニターを備えた体験ルームへ。モニターの火元に向かって、訓練用の消火器を使って消化液を吹き付けましょう。しっかり消化液を当て続けることができれば消火は完了です。
なおこちらは年齢制限があり、小学4年生以上が参加可能です。
参加前に、スタッフから訓練用消火器を使ったレクチャーがあります。緊急時に備え、正しい使い方を覚えておきましょう。
火元の天ぷら鍋に狙いを定めて、しっかり消火液(訓練用の水)を当て続ければ、「消火に成功しました」の表示が!
防災にまつわる知識をクイズ形式で学ぶことができるのが、こちらの「防災診断クイズ」です。
クイズは三択形式となっており、災害発生の予兆や災害初期に取るべき行動、身を守るためのポイントなど幅広いジャンルの問題が出題されます。普段の生活だけでなく、レジャーなどの旅先でも役立つ知識が学べるので、小さなお子様に災害時の対応を知ってもらうのにも最適。
クイズの結果に応じ、あなたの防災レベルが診断されますので、友人やご家族と一緒に楽しみながら防災知識を深めることができます。
災害にまつわる幅広い内容が出題されます。制限時間10秒の中で、あわてずに正解を選んでくださいね。。
正解数に応じて、あなたの防災知識のレベルが診断されます。ご家族やお友達の中で、一番防災知識が高いのは誰でしょう?
こちらの「埼玉災害コーナー」では、実際に埼玉県で起きた災害の記録や、埼玉県内の地理的特徴と災害リスクなどを学ぶことができます。
埼玉県の形をしたテーブル状のスクリーンでは、プロジェクションマッピングで投影された映像を使い、県内を流れる河川や地理的な特徴を表示。お住まいの地域や通勤・通学のエリアに、どのような災害リスクが潜んでいるのかが一目瞭然。過去に県内で発生した災害の情報では、実際に受けた被害の様子なども確認できるので、ご自宅周辺の情報をチェックしておきましょう。
埼玉県の形をしたスクリーンには、様々な県内の災害情報を投影。実際に県内で発生した7つの災害データも収録しています。
江戸時代に起きた「寛保の大洪水」から2014年に起きた大雪被害まで、災害資料の閲覧が可能です。
館内には大災害の被害の大きさを示す、様々な資料を展示しています。中でも東日本大震災の際に発生した津波で、原型を留めない形にひしゃげてしまった標識などは、どんな言葉よりも自然災害が及ぼす被害の大きさを物語っています。
また土砂災害に巻き込まれた学校の備品や通学カバン、火災によって大きく変形した電化製品などは、自然災害が特別なものではなく、私たちの日常のすぐそばに潜んでいることを実感させられます。
頭ではわかっていても、つい後回しにしてしまいがちな防災対策の重要性を感じさせる展示です。
ただの錆びた鉄パイプに見えるのは、東日本大震災で発生した津波にさらされた学校の机。改めて津波の恐ろしさを感じます。
2016年に熊本で起きた地震では、地震で発生した土砂による被害も大きなものに。学校の備品などが展示されています。
2階の展示室では、まず壁一面に描かれた「埼玉防災絵巻」をチェックしましょう。災害の発生前から発生時の対応、そして復興まで一連の流れがわかりやすく描かれています。室内の展示も絵巻と連動しており、日常生活の中で取り入れられる防災アイテムや、避難生活で役に立つ豆知識などを掘り下げた内容になっています。
一般的な防災グッズだけでなく、ご家族の年齢や性別、ペットの有無など、家族構成に合わせた防災用品を紹介するなど、実際の被災者の声を反映した実用的な展示内容となっています。
棚を突っ張り棒で固定し、窓ガラスには飛散防止のフィルムを貼るなど、防災対策がしっかりしてある部屋の一例。
防災対策ができていない部屋の例。タンスは固定していないために倒れ、床に物が散乱した部屋は避難が遅れる原因に。
災害発生は通勤や通学中など、家族が一緒にいるとは限りません。いざというときの連絡方法を確認しておきましょう。
新聞紙を折ればスリッパの代用品が作れます。災害時に足元を守るため、避難時に衛生的な生活を送るためにも役に立ちます。
日ごろから非常食になる食品を購入し、古い物を使う度に新しい物を補充する「ローリングストック法」で備えを。
非常用の持ち出し袋に、入れておくと便利なアイテムを紹介。家族構成などに応じ、必要な物を加えて準備しておきましょう。
取材に訪れた2021年4月には、NHK大河ドラマ第60作『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一と、関東大震災にまつわる特設展示が行われていました。
すでに実業家として政財界に大きな影響力を持っていた栄一は、数々の人脈を駆使して義援金を集めに尽力しただけでなく、自費を投じて被災者支援の食料を調達したり、被災地域での食料配給など復興支援を行ったことでも知られています。
また、現在は新型感染症対策のために休止していますが、2階の「防災ステーション」などでは期間限定での企画展示なども行われる予定です。