幕末の日本、現在の埼玉県深谷市にある農家に生まれ、実業家として500以上もの企業の設立に関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一。そんな郷土の英雄を主人公としたNHK大河ドラマ、『青天を衝け』のオフィシャル施設、『渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館』が深谷市内にオープンしました!
館内には、渋沢栄一の生まれた家である「中の家(なかんち)」のセットを再現し、出演者の大型パネルを設置することで、ドラマの世界にいるような気分が味わえます。また、実際の撮影で使われた衣裳や小物といった稀少なアイテムも展示され、衣裳や美術スタッフのこだわりもうかがえます
このほか、登場人物の関わりを整理した関係図や、スタッフ&キャストのコメント映像やメイキングビデオを上映するシアターなど、ドラマをより深く楽しめる要素が溢れています!!
展示の内容は、ドラマの放映に合わせて変わっていく予定ということなので、中には今しか見れないお宝グッズや映像もあるかも!?
郷土の英雄をより身近に感じ、より深く知ることができる『深谷大河ドラマ館』、ぜひ一度足をお運びください。
『深谷大河ドラマ館』に入ってすぐに現れるのが、ドラマのセットを再現した「中の家」です。再現したセットとはいえ、使い古された柱や苔の生えた屋根などの建物はもとより、台所に置かれたボロボロになった火起こし用のウチワなど、そこかしこに生活感の漂う造り込みがされています。さらに雰囲気を盛り上げるのが、主要キャストたちの等身大パネル。主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮さんとヒロイン・千代を演じる橋本愛さんは来館者を出迎えるように入口に、母・ゑい役の和久井映見さんは台所にと、ファンの心をくすぐる配置も嬉しいポイントですよ。
館内展示のもうひとつの見どころが、実際に撮影で使用された衣裳や小道具の数々。特に衣裳は、当時の人たちの暮らしを踏まえた上で、それぞれの登場人物の個性を際立たせるための工夫が随所に施されています。
ちなみに右の写真は、日々藍染の研究を続ける栄一の父・市郎右衛門を演じる小林薫さんが実際に着ていた衣裳。藍で汚れるので前掛けをしていますが、上着に跳ねた藍の色を見ても研究熱心さが伝わってきますよね? ほかにも、ほんの一場面しか映らないような小道具や、大きくは映らないようなわらじなども、こだわりを持って作りこまれていることがわかります。
幼少期の栄一(中央)と千代(右)、喜作(左)が着ていた衣裳。大きな背負子や木刀も一緒に展示されていました。
こちらは栄一の履いている草履。鼻緒の部分には、渋沢家の家業でもある藍染の布を使っているのがポイントです。
こちらは黒船の来航を知らせる瓦版ですが、何話に出ているかわかりますか? 当時のままに「ペリー」は「ペルリ」と表記。
染料になる藍玉を出荷する際に使われる“叺(かます)”というワラでできた袋。焼き印は渋沢家の商標紋です。
館内に設けられたパネルには、脚本の大森美香さんをはじめとするスタッフのコメントだけでなく、美術統括・有本弘さんと美術デザイナー・荒川靖彦さんによる「中の家」のセットや、衣裳デザイン・黒沢和子さんによる主要人物の衣裳を解説したものも! 歴史的な背景や人物の設定を反映した作り込みに、思わず読み入ってしまいます。
こうした解説は、館内に設けられたシアターや映像モニターで流れるコメンタリー映像などでも紹介しているので、ぜひ時間に余裕をもってゆっくりとご鑑賞ください!
館内には2カ所の物産館があり、出口に近い広い方のお店では『青天を衝け』のオフィシャルグッズや渋沢栄一関連の商品を販売しています。ドラマのタイトルが示すように、グッズも鮮やかなブルーや藍色が印象的なアイテムが多数。なかでも、ハンドタオルやおみくじキーホルダーなどの、ここでしか販売していないオフィシャルアイテムは、県外の方へのプレゼントにも喜ばれそう。
また番組グッズだけでなく、深谷市内の藍染業者による工芸品や、地元のアイドル・ふっかちゃんとのコラボ商品も取り扱っていますので、お見逃しなく!
物産館は渋沢栄一ゆかりの施設を紹介する案内所も兼ねているので、ドライブの出発地点にして次の目的地を決めるのもオススメですよ。
やはり気になるのは、『青天を衝け』のオフィシャルグッズ。ここでしか買えない限定品は、特に要チェックです。
鮮やかな藍色のグラデーションに、ロゴと渋沢栄一のシルエットが入った扇子は1320円。見た目もさわやかで、暑い日に映えそう?
深谷市が生んだ二大スターが夢の競演!? ふっかちゃんと渋沢栄一のコラボグッズは、湯呑以外にも色々!
地元深谷市にある藍染業者のバンダナやマスク、靴下などを販売。藍の色に、いまも栄一の心が受け継がれています。
90年以上継ぎ足した伝統のしょう油を使った、戸塚煎餅店が製造する「渋沢栄一 小判煎餅(1080円/2枚12袋入り)」。
新一万円札への起用が決まった渋沢栄一。お札型のサブレやチョコレートなど、ひと足早くお菓子になって登場していました。
家業の藍をイメージして、渋沢栄一の雅号から名を取った「青淵カレー(648円)」。安全なクチナシの天然色素を使用しています。
物産館の一画は、市内の渋沢栄一ゆかりのスポットを紹介する観光案内スペースにもなっています。次の目的地探しにも!
中庭に面した方の物産館では、地元の採れたて野菜や果物などの農産物や加工品を販売。深谷といえば欠かせない深谷ねぎをはじめ、地元養鶏場や養蜂場が生産する卵やはちみつなど、おいしいものがいっぱいです。リーキやカリーノケールなど、あまり見かけないお野菜もありますが、店内にあるレシピをお持ち帰りできますので、新しいメニューに挑戦してみてはいかがでしょう?
むさし麦豚を使ったソーセージや餃子などの加工品は、メインのおかずはもちろん、晩酌のお供にも最適です。『青天を衝け』を見ながらこちらで買った食材のお夕飯を食べて、深谷尽くしの夜というのもオツかもしれません。
深谷といえば、やっぱり深谷ねぎ! 冬の寒さに耐え、たっぷりと甘味を蓄えているので、焼くだけでも美味しくいただけます。
普段見かけない野菜と出会えるのも直売所の楽しみ。写真のコールラビは、丸い茎の部分をサラダやソテーにしてどうぞ。
おしゃれなボトルに入っているのは、深谷ねぎをたっぷり使った「ねぎドレッシング(690円)」。お肉との相性も抜群です。
深谷市の養蜂場が販売する、非加熱&無加工の生はちみつ(2000円)。野の花やアカシアなどの種類もあります。