1994年に当時のトヨタオート西埼玉に入社しました。配属されたのはこの秩父店で、当時からこの場所に店舗がありました。敷地も同じサイズで、リニューアルによりとても綺麗になって、地域でも多くのお客様から好評をいただいています。

入社した当時の秩父店は、ベテランの営業スタッフぞろいのお店で、私が久しぶりに入った新人のスタッフでした。秩父店は営業エリアが広いこともあって、私を含めて8人が在籍。当時は、現在のような来店型の営業スタイルではなくて、各スタッフがテリトリーを持つ訪問型のスタイルでした。担当させていただいたのは、上町などのエリアで、商店街もあったりして、一軒一軒訪問するには歩きやすい場所でした。

私が最初に販売させていただいた車はスターレットで、当時は希望ナンバー制度がない時代だったのですが、偶然100番のナンバーが割り当てられました。私もお客様もこれはいい番号だと、希望ナンバー制度が始まったこともあり、それからずっと100番で納車させていただいています。いまでもそのお客様にご購入いただいているのですが、100番がつかなかったら、お付き合いが途絶えていたかもしれないと思うと、本当に恵まれていたなと思います。

当時の環境も恵まれていました。私以外のスタッフは全員先輩だったわけで、わからないことを教わるには最適な状況でした。同期もいませんでしたし、わからないことがあるのは当然でしたし、できないことがあるのも仕方ない。むしろ、わからないことは勉強すればいいし、できないことはできるようになるまでがんばればいいと考えることができました。いままで3人の店長の元で働かせていただいたのですが、それぞれの店長のよいところを吸収できればと、努力する毎日でした。近年では、全車種併売も個人的には追い風で、お客様がほしいと思われる車をなんでもご提供できるのは、ありがたかったです。奥様にルーミーを納車させていただいたところ、旦那様が「ネッツでもクラウンを買えるんだよね？」と来店いただいたりと、新たなご縁をいただくきっかけになることもしばしばでした。

今後の秩父店も、お客様とのご縁を大事にするのがまず第一だと思っています。1977年に新設された秩父店ですが、かつて8人いた営業スタッフも現在は4人です。昔は秩父出身のスタッフでないとお客様から敬遠されるような時代もありましたが、いまでは東京や群馬出身の若いスタッフが精力的にお客様とお付き合いさせていただいているのを見ると、新しい時代になりつつあるんだなと感慨深いものがあります。とはいえ、秩父店の状況が厳しいのは事実です。雇用が少ないこともあって、若い人は秩父から出る傾向にありますし、他店との競争も激しさを増しています。かといって、焦ってもしかたないので、歴代の店長から引き継いだ教えを守りながら、ずっとお付き合いいただいているお客さまに感謝しながら、ひとつひとつの接客や作業を丁寧に行うことを肝に銘じています。スタッフが若返っていることもあって、まだまだ接客応対で至らない点は正直あると思うのですが、誠心誠意お客様と接していくことで、伝わるものがあります。私も新人のころは数多くのミスをしてきました。そんなときこそ、誠意を持って明るく元気よくお客様に接することが大事なんだと、固く信じています。一緒に働いているスタッフにも、それを実感してもらえたらうれしいです。