今回はJR川口駅の西口ロータリーから西へ進むこと約1.4キロメートル、「南町交差点」を左折して環状線通り（県道110号）に入り、約40メートル進んだ右側にある「龍珠China（ロンジュ チャイナ）」をご紹介します。
こちらの「龍珠China」は、都内にあるモダンチャイニーズの有名店で料理長を務めていた川中洋介さんが、2022年7月にオープンした「担々麺＆中国料理のお店」です。白壁と木目を生かしたテーブルやカウンターで統一された店内は、照度を落とした照明の効果も相まって隠れ家的なバーのような雰囲気。そんな落ち着きのある店内で、ランチタイムには担々麺をはじめとする麺類や週替わりの定食を、ディナータイムは本格中華料理と共にお酒をゆっくりと楽しめるお店として営業しています。
独立にあたって「本格中華をリーズナブルなお値段で」をコンセプトにしたとのことで、ディナータイムでも点心メニューは400円～、単品のメイン料理も1000円前後がボリュームゾーンとなっており、そのどれもが元有名店料理長の肩書きを裏切らない逸品ぞろい。なお、アルコールメニューも国内の有名銘柄のウィスキーをはじめ、ボトルワインや紹興酒など、こだわりのラインナップを取り揃えてあり、運転の心配がない方にはこちらもオススメのポイントです。
立地的には駅から離れて交通の便が良いとはいえませんが、日中は近隣にお勤め＆お住まいの人たちで、夜はゆったりとお酒とお食事を楽しみたい人たちでにぎわっており、川口市が主催する「川口i-mise大賞」をオープン以来3年連続で受賞する人気店となっています。 高級中華の有名店でシェフを務めたオーナーが自信をもって提供するお料理を、お手ごろな価格でいただける川口市の「龍珠China」、ランチ・ディナーを問わずにオススメしたい名店です！

今回は「龍珠China」の看板メニューである「龍珠四川担々麺（970円／辛さふつう）」をいただきました。
器を見ると、赤いスープの色に溶け込むようなひき肉の茶色と、鮮やかなニラの緑と長ネギの白のコントラストに驚かされます。まずはレンゲを少し深めに差し込んでスープをひとすくいいただくと、スパイスの香ばしい香りが鼻から抜けていくよう。このスープに使われているラー油こそが、川中さんのこだわりポイントで、四川山椒や唐辛子などのスパイスを炒って香りを引き出すところから作っている自家製のもの。今回いただいた「担々麺」と「汁なし担々麺」では、異なるラー油を使いわけているそうです。
そんなラー油の香りに続くのが、ゴマの濃厚な風味に包まれた干しエビや芽菜（ヤーツァイ）などの中華食材のうま味。たっぷりとしたうま味が通り抜けた後に、山椒の痺れるような辛味による清涼感が次の一口を誘います。
そんなおいしさたっぷりのスープの中に潜む麺を引き上げると、担々麺には珍しい中太のちぢれ麺が出現します。意外に思いながら麺をすすっていくと、しっかり目のうま味を持ったスープに負けない小麦の味ともっちりとした食感の麺は相性抜群。しかも適度なちぢれがすするごとにスープの香りを引き立たせてくれるよう。
さて分析がすんだところで、いよいよここからが担々麺の真骨頂！　トッピングと麺を混ぜ合わせ、麺・スープ・具を一体化させて口に運んでいきます。先ほどのスープをまとった麺の美味さに加え、弾力のあるひき肉の食感とあふれ出す肉の旨味、それを洗うようなネギの辛味と清涼感、ニラの野趣あふれる香りがひと噛みするごとに不規則ながらも調和のとれたセッションを口の中で奏でるよう。ときおり挟まるナッツのクリスピーな食感と香ばしさも、嬉しすぎるアクセントとして機能して箸が止まることを許しません。
「本格的な担々麺」と聞くと「辛い」イメージが強いのですが、今回いただいた辛さふつうでは、程よい辛味が食欲をくすぐる絶妙なバランス。辛さは、弱め・強め・痺れ増しは無料で変更可能です。150円増しの激辛もありますので、「まずは普通の辛さからオーダーして、お好みの辛さに調節してみてください（川中さん談）」とのこと。
本格中華の名店で料理長まで務めたシェフが、自信を持ってお店の看板に掲げる「龍珠四川担々麺」、ぜひ一度実食ください！