今回は、国道254号・川越街道から県道36号・保谷志木線に入り、ひばりヶ丘方面へ進むこと約650メートルにある「麺や 笑 ～Sho～」をご紹介します。
中国料理から料理の道へ進み始めた店主の池田直人さんは、その後ラーメン店での修行を経てこちらのお店をオープンしました。「ラーメンを食べたお客様が喜んで、笑顔になるようなお店にしたい」という池田さんの思いが、そのままお店の名前にも表れているそうです。
「麺や 笑 ～Sho～」のオススメは、4種類の煮干しをブレンドしたスープと動物系スープを使ったWスープのしょう油・塩・みそラーメン。煮干しを主役に据えながら、特有のエグみや苦みを感じさせない味の構成で「煮干し系はちょっと苦手」という人にもオススメしたい味のバランス。このほか薩摩本枯れ節を使ったしょう油やみそラーメン、つけめんなどもラインナップしています。またアゴや黒鯛の煮干し、鴨など、普段使っていない食材を使った期間限定ラーメンも随時入れ替わりで登場しています。
メニューといえばビールが3種類、酎ハイ3種、ハイボールにレモンサワーとアルコール系が充実。こちらは地元のお客様からの居酒屋的な需要も多く、要望に応えていくうちに増えていったものだそう。中でも干しエビの香ばしい餡を使った「焼き餃子」は、サイドメニューとしてだけでなくおつまみとしても人気の高い、煮干しラーメンと並ぶ看板メニューとなっています。
これからの目標を伺うと、「まだまだ“地元から愛されている”と言えるお店ではないと思っているので、胸を張ってそう言えるお店にしていきたいですね」と、照れくさそうに話していただいた池田さん。ただでさえ入れ替わりの激しいラーメン業界、コロナも乗り越えた6周年を迎えながらも、謙虚にお客様に真摯に向き合う池田さんの姿勢がお店やラーメンからも伝わってくる「麺や 笑～Sho～」。ぜひこの機会に一度足をお運びください！

今回は「麺や 笑 ～Sho～」の一番人気、「特製煮干しらーめん（1030円）」をいただきました。
まずお料理を見て驚くのがトッピングの豪華さ。通常の「煮干しラーメン（830円）」からチャーシュー2枚と味玉１個が追加された「特製」ですが、原材料費や光熱費の上昇が話題となっている中で、1030円でこの彩りの豊かさにはお得感があります。
濃褐色のスープをひとすくいしてみると、漂ってくる煮干しの香りに期待が高まります。口に含めば最初に広がるのはしっかりとした煮干しのうま味、そしてしょう油のうま味と動物系のうま味が後を追い、輪唱のように響いていきます。“煮干しが強い”というと、クセまでそのまま活かしたラーメンもありますが、こちらはあくまで煮干しを主役に組み立てたバランス型。カタクチ、平子、ウルメ、鯵の4種類の煮干しを使ったスープと動物系スープを合わせ、絶妙なバランスに仕上げています。
これに合わせる麺は北海道産小麦の「春よ恋」を使った加水率低めの全粒粉入り細麺で、パツッとした歯切れの良さに加えて、奥歯で噛みしめる度に小麦の香りが引き出されてスープのうま味と相乗効果をもたらします。なにより日本そばのように「ズッ」とすすったときのすすり心地の良さと、その際に広がる煮干しの香りとうま味を感じられるよう計算された組み合わせと言えるでしょう。
トッピングでは自家製チャーシューの柔らかさが特筆モノで、脂の少ない肩ロースを使いながら、持ち上げようとすると切れてしまうほどのホロホロ加減。表面を軽く炙った香ばしさも、スープのうま味と合わさることでアクセントになっています。香ばしさといえば添えられた大判の海苔も、煮干しが主役のスープとの相性が良いのは言うまでもありません！
細かいところで注目したいのが、しっかり盛られた刻みタマネギとカイワレ。口が煮干しに慣れたところで、タマネギとカイワレの辛味や食感を合間に挟むことで次のひと口の鮮度をアップさせる最高のリフレッシュポイントに。どちらか片方でも問題なさそうですが「彩りなども考えると、どちらも欠かせなかったです」（池田さん）と、妥協をしなかったそうです。
「煮干し系は塩分が強くなりがちなので、塩味はこだわったポイントです」と店主の池田さんが言うように、後味の良さも大きな特徴。“煮干し好き”を自認する方はもちろん、強烈すぎる“煮干し系”を敬遠していた方にもオススメしたい、高レベルで調和の取れた一杯を「麺や 笑 ～Sho～」でどうぞ！