今回ご紹介するのは、国道407号線の日高団地西交差点を日高団地方向へ曲がり、300メートル先にある「麺屋 真心」さんです。
店主の日塔涼さんは、高校の調理科を卒業後に一度は和菓子の道へ進みましたが、寮の近くにあった有名店に通ううちにラーメンの魅力に惹かれ、ラーメンの道へ進むことを決意。県内や都内の有名店で4年間の修業を重ねて「麺屋 真心」を2018年にオープンしました。
牡蠣を使った重層的な出汁に地元・埼玉の生醤油を使ったカエシなど、厳選した素材を活かしたラーメンがメディアに紹介されて人気店に。その後もブラッシュアップを重ねながら、現在ではしょう油、塩、味噌、辛味と4種類のラーメンに、つけめんと油そばを加えた6種類の麺をレギュラーメニューとして提供。これに期間限定ラーメンも加わり、バリエーション豊かなメニュー構成も特徴です。
お店のこだわりを日塔さんに伺ったところ、「お店の名前を決めるとき、家族から“いちばん僕らしい言葉じゃないか”といわれて、この店名にしたんです。 だから木のぬくもりを感じさせる店内という見た目の部分だったり、地元を盛り上げるお手伝いになればと近所のお肉屋さんから材料を仕入れていることなど“真心を込めた姿勢”というのはこだわりといえるのかもしれません」と笑顔でお話しいただきました。人気のラーメン店には珍しく、ベビーカーでの入店が可能でお子様用のイスも備えているのも“あたたかさ”を感じられるポイントです。
最後に今後の目標を尋ねると、「うちの立地的に駅から距離があるので、わざわざこのお店を目指してクルマで来てくれる、そんな味づくり店づくりで繁盛していけたらいいですね」と、少し照れたように話してくれた日塔さんでした。
住宅街の立地ながら、多くのお客様を集める日塔さんの真心を込めた味とお店、ぜひ一度皆さんの舌と心で味わってみてください！

今回は「麺屋 真心」さんのおすすめの「特製塩そば（1200円／8月1日以降1300円）」をいただきました。
提供されたお料理を見て、まず目を引くのが透明度の高いスープ。ひとすくいしたスープから漂ってくるのは濃厚な磯の香りで、ハマグリや煮干し、シジミなどを使ったダシに加え、塩ダレにもシジミやホタテなど使って貝の美味さがあふれんばかりに満ちています。口にの中に入れれば舌からノド、胃を通じて全身に貝の滋味が行きわたっていくかのよう。少し遅れて煮干しのうま味が追いかけてきて、後味にはバターのように濃厚な高原比内の脂の甘味が豊かな余韻を残していきます。
この絶品スープに合わせる細麺はパツッとした歯切れのよさが心地よく、一本一本の麺の間に染み込んだスープとのバランスが絶品！　浮かせた比内地鶏の鶏油は自然と麺とのからみが不均一になるため、一口ごとに強弱の異なるアクセント加えて食べ飽きることがありません。ここにスープを吸ったバラ海苔が程よくからまり、磯の香りのコントラストまでが加わる贅沢な構成です。
チャーシューは3種類の異なる肉が使われ、中でも肩ロースは低温調理で40時間かけて仕上げることで、肩ロースの肉感は残しながら口の中でほろほろとほぐれていくよう。一方、少し強めの味付けが施されたバラは、豚特有の口の中でトロけていく脂が官能的な味わい。鴨チャーシューは野趣に溢れた肉々しい弾力のある食感で、筋繊維をかみしめるたびにスープのうま味と混ざり合って相乗効果を発揮します。根元から穂先にかけてしっかり食感がグラデーションする穂先メンマは、肉とは異なるテクスチャーで食感に変化を作り、煮玉子の中から出てくるトロトロの黄身は細麺と絡ませれば中盤に嬉しい濃厚な味変ポイントに。
また、貝類の扱いに特徴のある「麺屋 真心」で、ぜひお試しいただきたいのが、牡蠣クリームの「和え玉（350円）」。牡蠣クリームを極細麺に絡めた追加用の麺で、残ったスープに落としたりつけ麺風にしていただいてもGood！　牡蠣好きなら、軽くかき混ぜてそのままどうぞ！
貝類の持つコハク酸のうま味を使った重層的な味の厚みが特徴の「麺屋 真心」の「特製塩そば」、間違いなくクルマで通うだけの価値がある一杯です！