今回ご紹介するお店は、東北自動車道の久喜インターからさいたま栗橋線を大宮方面へ進むこと約2.5キロメートル先にある「麺場 もっけい」です。とんこつスープに、麹味噌・白味噌・赤味噌を独自の分量でブレンドした味噌を合わせた濃厚なスープと、本場・札幌の製麺所に依頼するオリジナル麺を組み合わせた味噌ラーメンを中心に、つけ麺やタンメン、中華そばなどのラーメンを提供する人気店となっています。
店長の増田雅幸さんにこだわりのポイントを訪ねたところ、「当たり前のことをちゃんとやっていることですかね」とのお答えが。「味噌ラーメンは一杯ごとに中華鍋を振って作っていますし、スープもちゃんと店内で炊いています。手間もガス代もかかるやり方なので、もっと効率化しているお店もあるんでしょうけどね」と苦笑しながら話していただきました。
そんな手間暇を惜しまないラーメンの評価は客層にも表れており、「うちは会員向けのトッピングサービスや、スタンプをためての無料サービスをやっていますが、これの利用率が結構な利益を圧迫して嬉しいような、困るような話で（増田さん談）」とのこと。高速のインター近くという立地で一見のお客様が多くなりそうですが、一度食べたお客様を二度、三度と来店させるだけの魅力がラーメンとお店にあればこそ、といえそうです。
増田さんに今後の目標について伺ったところ、「長くやっていきたいですよね…、コロナのような外的要因に左右されずに。」と感慨深げな様子。「コロナの流行りはじめに窓を追加して換気を良くしたり、厨房と客席の間にガラスを追加したり店内を改装したんです。人手の問題などもあって営業時間も短くなってしまいましたが、その分サービスを充実させてお客様に愛されるお店であり続けたいですね」と、笑いながらも真剣なまなざしでお答えいただきました。
合理化や効率化が進む世の中にあって、“当たり前”を続ける「麺場 もっけい」のラーメンをぜひ一度お試しください！

今回は「麺場 もっけい」の人気ナンバーワンメニューという、「もっけい味噌（820円）」をいただきました。
一般的な丼よりも幅広で浅底な器からは、味噌と動物系の脂が合わさった味噌ラーメンならではの香りを満喫できます。少し深めにレンゲを入れて、上面の脂とスープをほどよいバランスですくって口に含めば、まず鼻に抜けるのが味噌の香り。舌には味噌のうま味が感じられながら、口全体をとんこつを中心とした動物系のうま味が充満していくかのよう。味噌が強く出すぎたり塩気が強くなる味噌ラーメンも多いなか、「もっけい味噌」では12時間以上炊いてうま味を凝縮したとんこつスープと、独自ブレンドのまろやかな味噌を合わせることで、ただの“味噌味”に終わらない奥行きのあるスープを作り上げています。
これに合わせるのは味噌ラーメンに欠かせない中太のちぢれ麺。この麺は札幌ラーメンの代名詞ともいえる西山製麺に発注しているオリジナル麺とのこと。このちぢれた麺がスープや具材を絡め取り、麺のモチモチとした食感にモヤシのシャキッやひき肉のムニッというアクセントが加わって、麺を運ぶ手が止まらなくなってしまいます。
トッピングに目を向けると、店内で仕込んでいる豚バラのチャーシューは、スープに漬けてもエッジの効いたやや甘めの味付け。スープに沈めてとろけるような食感をお楽しみください。同じくお店で仕込んでいるというメンマも、コリコリとした歯ごたえがしっかりと楽しめる仕上がり。たっぷりと乗った白髪ねぎは、スープに沈めて加熱することで甘味を引き出したり、生のまま麺と絡めて鮮烈な香りをスープとのコントラストにしたりと楽しみ方は色々。このままでも高い完成度ですが、追加トッピングのバター（100円）を加えれば、芳醇な香りとコクによる味の変化を楽しめます。
厳選された食材はもちろん、一杯一杯鍋をふるって“当たり前”を重ねる「もっけい味噌」。数多くのリピーターを生み続けるのも納得の味は、久喜でいただけますよ！！