今回ご紹介するのは、JR北浦和駅の東口から徒歩1分の距離にある、「らーめん かねかつ」です。
2013年に川口駅西口でオープンしたお店は、カウンター4席のみの隠れ家的名店として知られていましたが、2022年7月に現在の店舗へ移転。席数が増え、壁一面をガラス張りとした店舗は、店内の混み具合もひと目でわかるようになりました。
店主の大友さんは、飲食店や製麺所でのキャリアを経て「ほかでは味わえないオリジナリティを追及したラーメンを提供したい」とお店をオープン。開業以来、自分がおいしいと思った食材を使って、地鶏やシャモなどベースとなる食材からブラッシュアップを重ね続け、現在ではホロホロ鳥とイベリコ豚を使ったこだわりのラーメンを提供しています。
提供するラーメンはいたってシンプル。麺とスープを除けば、お肉が3種類乗っているものの、あとは刻みネギと三つ葉、黒コショウのみのトッピング。「自分がシンプルなラーメンを好きなのもあるんですが、本当に自分が食べてもらいたいものだけをお客様に出したいんですよね。そう考えたら、今の形になりました」というように、器の中にある食材のすべてが、こだわりぬいた渾身の逸品揃い。
また「飲食店が“おいしい”を提供するのは当然の話なので、それになにをプラスするかだと思っています」というように、サービスにも妥協はありません。看板に添えられた季節のお花のお出迎えや、お客様の案内前にしっかりと客席を整える姿勢は、まるで割烹料理店のようなおもてなしの心が感じられます。
ラーメン専門誌でも堂々の殿堂入りを果たしている「らーめん かねかつ」。間違いなく価格以上の満足感が得られる味とサービスが、あなたを待っています！

今回は「ら～めん（1100円）」とトッピングの「得肉三昧（800円）」、「肉ごはん（400円）」がセットになった、「かねかつSP（2100円）」をいただきました。
ひと口スープを口に含むと、驚くのはしっかりとしょう油の味を効かせながら、カドやしょっぱさを感じさせないバランスのよさ。使っているのは、福島県・若喜商店のしょう油で、様々な食材を試して改良を重ねる中、これだけは変わらずに使い続けているものだそう。このしょう油の味と香りに負けず、カモや地鶏にも似た動物性の旨味でしっかりとした土台を築くホロホロ鳥は「これしかない」と思わせる絶妙な組み合わせ！　そして、このスープを語る上で欠かせないのがイベリコ豚の存在。しょう油と鳥、昆布、節系だけでは南蛮そば風に、豚を足せば脂が勝ってしまうところなのですが、クセが少なく甘みの豊かなイベリコ豚を使ったことで、上質な和食を思わせながらもラーメンらしいインパクトのある味わいに仕上がっています。
合わせる麺は、毎朝店内で作る打ち立ての手打ち麺を使用。縮れた中太麺は、表面にうっすらスープが浸み込みプルプルと口の中へと滑り込み、噛むたびにモチッとした感触を楽しめます。小麦の甘みや香りもさることながら、なめらかな縮れ麺ののど越しは官能的という言葉がふさわしいほどのもの。
トッピングで目を引くのは、個性豊かな3種類のお肉。イベリコ豚の肩ロースは、豚の赤身のしっかりとした肉感に和牛のようなサシが入っていて、噛むごとにジュワッと脂が染み出します。一方、ホロホロ鳥のモモ肉はカリッと焼きあがった皮目の香ばしさと、弾力のある肉を噛み締めるごとに野趣に溢れた鶏の肉汁が口に広がる旨味の塊。低温調理のムネ肉は一転フワッと柔らかな食感ですが、ムネ肉とは思えない旨味がただの鶏肉ではないことを実感させられます。今回ご紹介した「かねかつSP」ではお肉が増量されていますが、通常の「ら～めん（1100円）」でも3種類のお肉が乗っていますのでご安心を！
サイドメニューにもある「肉ごはん」は、トッピングの3種類のお肉が乗った人気の一品。それぞれのお肉単体はもちろん、2～3種類のお肉を一緒に口に入れると、食感と味の変化が楽しめますよ。