首都高速埼玉新都心線の新都心西料金所を出て約5分、旧中山道を上尾方面に向かって進むと右手にあるのが「狼煙 〜NOROSHI〜 本店」です。東京の有名店で修業したオーナーの中村さんが、2007年に独立するにあたって「地元で狼煙を上げよう」という思いを店名に掲げてオープン。味も粘度も濃厚なつけ汁とお店で作る自家製麺の組み合わせが好評を博し、県内に4店舗（系列店を加えると5店舗）を展開する埼玉を代表する人気店となっています。
人気のポイントは1日寝かせ、熟成させたうえで提供しているこだわりの自家製麺。オーナーが厳選した国産小麦を独自の配合でブレンドした小麦粉に、石臼で挽いた全粒粉を加えることで小麦の持つ風味をしっかり感じさせながら、なめらかなのどごしとコシのある食感を持たせています。濃厚な味わいのつけ汁はもちろん、スパイスを使ったカレーつけ麺やカレーまぜそばでも、汁に負けない存在感を発揮するのは自家製麺だからこそと言えるでしょう！
15周年を迎える今年は本店の内装がリニューアルされ、女性のひとり客でも入りやすいと評判に。ランチタイムや夕飯時には行列ができることは必至ですが、それでも食べる価値が間違いなくある、納得の一杯が待っています。

「狼煙 〜NOROSHI〜 本店」で一番人気となっているのが、代名詞とも言えるつけ麺（写真の「つけ麺 中」は950円）です。
つけ麺のキモであるつけ汁は、厳選した豚や鶏、魚介に野菜といった食材を約1日がかりで煮込んで旨味を濃縮。粘度の高いつけ汁をアピールするお店は多くなりましたが、ふんだんに使った食材の旨味が凝縮された結果としてドロドロになった「狼煙 〜NOROSHI〜」のつけ汁はひと味もふた味も違います。口に入れた途端に瞬発力のある魚介の旨味が広がり、あとを追うように続く豚や鶏の動物系の旨味がしっかりとした余韻を作って後を引く旨さを構成。これだけでも十分な旨さなのですが、汁に乗せられた魚粉を絡めることで、さらに鮮烈な魚介のインパクトまで加わります。
つけ麺に使う自家製麺はやや黄色みを帯びた太麺で、ドロドロとした粘性の高い汁との絡み具合も絶妙！　つけ汁の味の強さに決して飲み込まれることなく、噛むたびに小麦の味と香りがしっかり主張してくることで、濃厚な汁でも食べ終わりまで飽きません。
食べ進めて気付くのは、つけ汁が最後までしっかり温かいこと。粘度の高いスープほど、温度が下がると一気に麺との絡みが悪くなるものですが、器と共にしっかり温めた熱々のつけ汁を提供することで、最後まで美味しく食べられます。
トッピングのチャーシューは熱々のつけ汁に沈められ、トロトロの脂を麺と一緒に口内に放り込んで味変要素にしてしまえるほど。刻んだタマネギも、濃厚な付けダレが絡んだ舌を仕切り直し、メンマと共に歯ごたえが楽しみなアクセントとして機能しています。
オープン以来、変わらぬ人気を保つ「狼煙 〜NOROSHI〜」のつけ麺。1日寝かせた自家製麺や食材をふんだんに使ったスープの取り方など調理の工夫はもちろん、お客様に美味しく食べてもらうための提供方法まで、決して手を抜かない姿勢が15年に渡る人気の秘訣と言えそうです。