皆野寄居有料道路の皆野大塚I.C.を出て、彩甲斐街道を秩父方面にクルマで進んで約12分、右手にあるのが「麺屋BONCHI」です。店長の山口洋さんは、お店のすぐ近くに母校の高校がある地元の出身者で「若い人にお腹いっぱいに美味しいラーメンが食べられるお店を」と考えて、この「麺屋BONCHI」をオープン。ベースとなる鶏と豚骨を使ったスープは、動物性の食材につきものの臭みを出さないよう食材に丁寧な下処理をほどこし、毎日20時間炊くことで旨味やコクをたっぷり引き出しています。
この臭みのない鶏豚骨スープを活かし、博多ラーメンのような細麺を合わせた「豚骨醤油らーめん」「塩豚骨らーめん」「秩父味噌らーめん」（各770円）と、太麺を使ってたっぷりの野菜を乗せた「BONCHIらーめん」（醤油・味噌／各800円）、1～4までの辛さを選べるスープに太麺を使った「辛いらーめん（880円）」を提供。このほか、曜日限定のつけ麺や期間限定のメニューも用意しています。
店内は、コンクリートの打ちっぱなしのような壁面に木製のインテリアで、まるでカウンターバーのような雰囲気。しかし客層は若者からご年配の方まで幅広く、山口店長が「僕も子供がいるので、お子様連れが大変なのはよくわかりますから」と言うように、小さなお子様用のイスも用意するなどファミリー客への対応も万全。地元で愛される味と空間を提供しているラーメン店です。

店長の「若い人にお腹いっぱいに美味しいラーメンを」という思いが表れているのが、太麺を使った味付けの「BONCHIらーめん（800円）」。今回は秩父味噌を使った味付けにチャーシューを増量した「BONCHI味噌ちゃーしゅーめん（1000円）」を紹介します。
見た目は、山のように盛られたもやしとキャベツの上に、ネギと刻みにんにくが載ったいわゆるG系スタイル。たっぷりの背脂が浮かぶスープをひとすくいしてみると、驚くのはクリーミーでまろやかな豚骨スープの口当たり！　濃厚な豚骨のコクと背脂の甘みが、秩父味噌の華やかな味と香りを引き立てています。豚も味噌も美味しい反面、扱い方次第で臭みやクドさが出る食材ですが、そうした短所を感じさせない味に仕上げています。味噌ダレには、数種類の秩父味噌をブレンドしているとのことで、秩父で育った山口さんならではの味付けと言えるのでしょう。
そんなスープに合わせるのは加水率低めの極太麺。ボリューム感のあるむちっとした麺を、豚骨と秩父味噌の旨味たっぷりなスープに絡めて噛み締めることで、「お腹いっぱいに食べる満足感」で脳が満たされていくよう。
そのまま食べ進めても良いのですが、野菜の上に載った刻みにんにくをスープに落とせば雰囲気は一変。エネルギーに満ちた荒々しい香りが器いっぱいに充満して、にんにくを全面に押し出したワイルドな味わいを楽しめます。
トッピングのチャーシューは、太巻きのようにロールされて食べやすく、トロトロの脂身とプルプルの赤身、どちらの特徴も両立。このチャーシューもしっかりとした下処理と調理によって臭みはなく、豚肉が持つうまさと食感だけが活かされています。極太のメンマはもやしやキャベツと共に、むちむちとした太麺の食感にコリッ＆シャキッのアクセントを適度に与えています。 地元の味を知り尽くした職人が、丁寧な仕事で作り上げた秩父味噌を使ったラーメン、ぜひ秩父訪問の際にお楽しみください！