JR西川口駅西口を出て徒歩1分、国産小麦の自家製麺と地鶏スープを使ったラーメンを提供しているのが『麺処 有彩』です。
店主の齊藤さんが「お値段控えめで自分が美味しいと思うラーメンを提供するお店にしたかった」と話すように、トッピング増の“特製”メニューでも1000円以内に収まる、お手ごろな価格設定が特徴。もちろん、味へのこだわりにも手抜きはなく、はかた地どりと川俣シャモという地鶏をメインにしたスープを使った「醤油らぁめん（700円）」と「塩らぁめん（700円）」、地鶏だけでなく豚骨や魚介の旨味を押し出したこってり系の「豚骨鶏魚介つけめん（750円）」、あっさり風味のつけ麺を昆布水に漬した麺で提供する「昆布水つけ麺（750円／醤油・塩）」と、どれも日進月歩のラーメン界でもいずれ劣らぬメニューを提供しています。
さらに期間限定メニューも随時設定しており、取材で訪れた2月上旬は煮干しダシのスープに雲吞をトッピングした「にぼ雲吞ver.（700円／塩・醤油）」を数量限定で提供中でした。こうした限定メニューの開発も「高級な食材には興味がないんです」と齊藤さんが笑って話すように、「手ごろな値段で美味しいものを」というオープン時のこだわりが現れているようです。

「麺処 有彩」の「醤油らぁめん」は、一見オーソドックスな“関東風醤油ラーメン”に見えますが、スープにレンゲを差し入れると違いは一目瞭然！　地鶏ならではの鶏油がたっぷり表面を覆っているのがわかります。スープも地鶏ならではの旨味が満ちあふれ、その力強さに負けないように、醤油の味も効かせたコントラストのはっきりとした仕上がり。ともすれば地鶏や醤油の味が突出してしまいそうですが、魚介や豚ガラを補助的に使うことで、地鶏の旨味の後に続く滋味や余韻が全体をうまく調和させています。
このスープに合わせているのが幅広の自家製“ピロピロ麺”。国産小麦の味と香りをしっかり活かしながら、ちぢれた麺がしっかりとスープをからめ取り、スープと麺がバランス良く口の中へと飛び込んできます。元々「醤油らぁめん」にはストレート麺を使用していたのを、他の有名店を研究する中で良いと思った麺を取り入れたのだそう。
トッピングには低温調理のレアなチャーシューと、それを吊るし焼きにした炙りチャーシューの2種類を乗せ、味や食感の違いを楽しめます。そして特徴的なのが、他の具材の裏に隠されたとろろ昆布の存在。染み出した昆布の旨味が味変になるほか、麺と絡めることでツルツルとしたのど越しが加わる個性的なトリックスター。
「醤油らぁめん」の最後には、ぜひ「飯割（80円）」をどうぞ！　長ネギ、かつお節、三つ葉、とろろ昆布が乗ったごはんは、残ったスープと合わせることで和食の一品のような仕上がりに。全体を混ぜてもいいですが、長ネギの部分だけ、とろろ昆布の部分だけ……といった食べ方もオススメです。