今回ご紹介する「ラーメン ジライヤ」は、国道17号を深谷から高崎方面へ進み、小島（北）交差点を左折、すぐ次の交差点を右に進んで500メートル先にあるG系ラーメンのお店です。
「ラーメン ジライヤ」の特徴として上げられるのは、G系の中でも個性の強い超極太な自家製麺です。店主の加藤さんが「中途半端なことをしても埋もれてしまうから」と考えた末に、G系で使われるオーションという小麦粉を使い極限まで加水率を下げた麺に巨大チャーシューの乗ったラーメンを開発。その唯一無二の個性的なラーメンが好評を博して当時熊谷市にあった店舗にラーメンファンが訪れる人気店になりました。
評判を聞きつけた多くのお客様が集まる一方で、加藤さんだけでは手が回らなくなったことや、家族が増えたことを期に現在の本庄市のお店へ移転。郊外へ移転したことでお客様の数は絞られましたが、ご夫婦の手で無理なく回していくことができる形で営業を行っています。
「ラーメン ジライヤ」を代表するのは前述の通り超極太のちぢれ麺ですが、その方向性はゴワゴワな麺をワシワシと食べ進む通好みの方向性。そのためか通常は2種類の麺が選べる形となっており、取材でお伺いした日には金斗雲という小麦粉を使った玉子入りの自家製ストレート麺も提供しており、こちらも太麺でありながら滑らかな舌触りで麺の味わいも良く、より万人向けなテイストでした。
今後の展望をお伺いしたところ「有名店とかは興味がないんでいいんです、ウチは家族が食べていける程度にやっていけたら」と快活に笑う加藤さん。「でも、うちの弟子が行田市で“ラーメン ジライヤ３（埼玉県行田市富士見2-28-2）”というお店をやっているんで、そっちをよろしくお願いします」と付け加えていました。
家族や師弟の絆を大事にする加藤さんの人柄が表れた「ラーメン ジライヤ」の個性的なラーメンを、ぜひ一度お試しください！

今回は「ラーメン ジライヤ」さんの人気メニュー「醤油ラーメン（950円）」を超極太のちぢれ麺でいただきました。
G系ラーメンといえばビジュアルの強いお料理が多いですが、器からはみ出したチャーシューのインパクトは抜群！　ただし「最近は安定していますが、仕入れの関係でどうしてもカットになってしまうこともあります（加藤さん）」とのことで、形状が違う場合もあるのでそこはご容赦を。
トッピングを寄せていくと、顔を出したのが噂の超極太ちぢれ麺。うどん並みの太さがある麺は、箸でつまんだ感触からして尋常ではない固さを感じます。口へと運んで前歯で噛むと、一般的な中華麺のモチッや低加水細麺のプツッとも異なるムニッという独特の食感。近い食べ物を挙げるなら、名古屋の味噌煮込みうどんが近いでしょうか。ゴワゴワ麺もここまで極まったか！　という塊のような麺ですが、ワシワシ・モシャモシャと食べ進む感覚は実際の物量以上に“食べた！”という充足感に満ちた快感が得られます。
その快感も味が良いからこその話で、意外なのは動物系の旨味に満ちながらまろやかな“濃厚マイルド”とでも表現したくなるスープの味わい。豚骨系のスープに国産牛の脂を加え、そこから余計な脂は全部捨てるという贅沢な作り方をしているのだそう。このうま味たっぷりのスープが、極太な麺を咀嚼するごとに小麦から引き出された甘味と口の中でブレンドされて新しい美味さが溢れ出てくるようです。さらにトッピングのキャベツとモヤシが加わることで、麺のムニムニと野菜のシャキシャキとした食感、動物系主体のスープに野菜の甘味という異なる味わいが対比になることで、特徴が際立って箸が止まらなくなっていきます。
最後に巨大なバラ肉のチャーシューにかぶりついてみると、ブルンッとした弾力のある食感は残しつつも噛めば筋繊維が簡単にほぐれて豚肉のジューシーな味わいが口に広がる見事な調理加減。何よりスープに余計な油分がないため、チャーシューの脂も良いアクセントとなって、こちらも麺やヤサイとお互いを際立たせる役割を果たしています。
インパクト抜群のビジュアルからは想像できない、上品な旨味に満ちた素材の対比を活かしたラーメン。麺やヤサイの量もお好みで調整ができますから、G系ファンに限らず一度はお試しいただきたい一杯ですよ！