2024年5月30日 【埼玉県東松山市】
関越自動車道の東松山I.C.を出て東松山バイパスを川越方面に進み、環境センター入口の交差点を坂戸方面へ進むこと約550メートルの位置にあるのが、今回ご紹介する「中華そば 深緑」です。
この「中華そば 深緑」は、埼玉を代表する人気店「中華そば 四つ葉」の店主である岩本和人さんが、コロナが流行した際に密を避けるために「四つ葉」の臨時店舗としてオープンしたお店が元になっています。スタッフが育って「四つ葉」の運営を任せられるようになったことから、人気店ゆえに確立されてしまった“四つ葉のラーメン”という枠組みを気にすることなく、好きな食材を使ったラーメンを提供するお店を作ってみたいと考え、この「中華そば 深緑」という別店舗をオープンすることにしたのだそうです。
そんな「中華そば 深緑」でまずこだわったのが、「四つ葉」ではできなかったという自家製麺。一般的な作り方では岩本さんが理想とする麺を作ることはできず、小麦粉の配合や延圧の加減など製造工程を一から見直すなど苦戦があったそうで、理想の麺ができてからも気温や湿度の変化に合わせた調整を続け、1年また1年と繰り返す中で「やっとデータがそろっていい感じになりました」とのこと。
提供しているのは豚骨や牛骨、シャモなどの動物系に魚介出汁と野菜出汁を使った「黒出汁(1500円)」と、同じスープに淡口しょうゆを合わせた「白出汁(1500円)」の2種類のラーメンを主軸とし、北海道で食材を見に行った際に出会った食材を使った「羅臼昆布と鮭節の中華そば(1500円)」、昔ながらの手火山式で作られた鰹節を使った「極上かつお節の中華そば(1500円)」の4種類のラーメン。
こだわりの食材を常時提供するため、やや高めの価格設定となっていますが「四つ葉の“緑”をより“深”く掘りさげていきたい(岩本さん談)」という店名の由来通り、クオリティの高さから多くのラーメンメディアで全国でも上位に挙げられる人気店となっています。
有名店の店主が現状に甘んじることなく、あくなき探求心で深みを増した「中華そば 深緑」のラーメン、一度味わう価値があることを保証しますよ!
今回「中華そば 深緑」の基本のメニューともいえる、「白出汁」をいただきました。
ベースとなるスープは六白黒豚の豚骨出汁に松坂牛の牛骨出汁、東京しゃもと博多地鶏を中心とした鶏出汁、貝やいりこの魚介出汁にゴボウやマッシュルーム、白菜などの野菜出汁と5種類の出汁をブレンド。しょう油ダレに淡口しょう油を使うことで、スープに含まれた多彩な素材の旨味を活かしたバランスになっています。これだけ多くの食材を使いながらも、なにかひとつの味が突出しているということはなく、食べ始めは鳥や豚の脂が前に出ていたのが、スープの温度が下がっていくにしたがって牛骨や魚介の旨味が前に出てくる、そんな味わいのグラデーションまでも計算に入れた極上のスープです。
合わせるこだわりの自家製麺は、滑りの良い中細のストレート麺で、ツルッとしたなめらかさを持ちながら、弾力のある歯触りでモチモチとした噛み応えも兼ね備えた逸品! 麺の味わいや香ばしさが、淡口しょう油を使ったスープに埋もれることなく、しっかり存在感を主張するベストなバランスに箸が止まりません。
トッピングに目を移すと、2種類の豚チャーシューと鶏チャーシューが目を引きます。熊本のもろみポークを使った豚チャーシューは、バラ・ロース・肩ロースの中から、好きな部位を選べるうれしいサービス付き。今回いただいたのはバラとロースでしたが、特筆すべきはさっぱりとした脂のさわやかさ。脂の甘味はそのままに、プリプリとした脂に前歯を立てるとサクサクと切れていくかのよう。ロースの赤身は肉の繊維をしっかりと感じさせながら、しっとりやわらかで豚肉の概念を覆されてしまいそう。鶏チャーシューは知床どりのモモ肉を使い、ムチッとした弾力と鶏の旨味に満ちた食べ応えのある1枚に。
特筆したいのがナルトで、一口かじると白身魚の旨さと甘さが口いっぱいに広がる旨味の塊のような存在。添加物などを加えていない昔ながらの製法で、小田原の名店から特別に仕入れている品を、贅沢にも厚切りにして使っています。
麺にスープに具の一品一品に、強烈な旨さを感じさせながらも、どこか懐かしさを感じるのは全体のバランスのよさ故なのでしょうか。最先端の“おいしいラーメン”でありながら、正統派のしょう油ラーメンのスタイルを崩さない「中華そば 深緑」の「白出汁」は、老若男女すべての人に自信を持ってオススメできるラーメンですよ!
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中華そば 深緑
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