2023年4月27日 【埼玉県比企郡川島町】
今回ご紹介するのは圏央道の川島I.C.からクルマで約5分の場所にある「中華そば 四つ葉」です。
寿司職人の父を持つ店主の岩本和人さんは、「生ものが苦手で寿司屋は継げないが、父のように手に職を付けた仕事をしたい」と思い、自分が好きな料理だったラーメン店の道を選択。12年間に渡ってラーメン店での修行を経て、父親の寿司店の一角を改装してオープンしました。
岩本さんが自分のお店を開くにあたり、最初にメニューに入れることを決めたのが自分が好きなしょう油ラーメン。そこでしょう油について調べていく中で、同じ川島町にある笛木醤油や学生時代にアルバイトをしていたという川越の松本醤油の存在を再認識。「こんな身近に素晴らしい食材があったんだ」と気がつくと同時に、「この伝統的な木桶仕込みで作ったしょう油を生かしたラーメンを作りたい」と思ったそうです。
また、郊外にお店を開くにあたって幅広いお客様からリピーターを作ることが必要と考え、まずはオーソドックスなしょう油ラーメンと、寿司職人のお父様からダシの取り方を教わったはまぐり出汁のラーメンをさっぱり系として用意。さらに、当時流行していた太麺のつけ麺と、地元養鶏場のブランド卵を使ったまぜそばをこってり系に据え、幅広い年齢層に向けたメニューを展開。そのどれもが高いクオリティにあったことで、評判を呼んで行列の絶えない人気店になりました。
大企業とのコラボも行うなど、押しも押されぬ有名店となった「中華そば 四つ葉」。岩本さんに今後の目標を聞いてみると、「このお店を出すとき、自然豊かなこの町に来て幸せを見つけて帰ってもらいたいという思いを込めて“四つ葉”という名前にしたんです。今年の6月でオープンから10年になりますが、子供の頃から来てくれていたお客さんが子供を連れて来てくれるようになって、その人たちの思いを裏切らないようなお店であり続けたいですね」と話してくれました。
地元のしょう油や卵を使い、父から受け継いだ技術と心で愛情溢れるラーメンを提供し続ける「中華そば 四つ葉」に、ぜひ一度足をお運びください!
今回「中華そば 四つ葉」でいただいたのは一番人気の「四つ葉そば(1000円)」。岩本さんが最初にメニューに入れることを決めた、しょう油ラーメンです。
まず目に入るのは、たっぷりとスープを覆うように厚い層を成す輝く鶏油。これは比内地鶏や天草大王など、数種類の地鶏を使って出汁を取ったために出た良質な油で、まるで鶏の旨味成分だけを濃縮したかのような香りが食欲をそそります。麺を軽く混ぜてからスープをひとすくいして口に含むと、最初に来るのがしょう油の存在感。これが昔ながらの木桶仕込みのしょう油ならではの味わいなのか、塩気や酸味を感じさせることなく旨味の部分だけが舌に乗って来る様です。続いて地鶏の持つ動物性の旨味が口の中に広がり、しょう油と鶏油の持つ甘味がほどよい余韻を残していきます。しょう油も地鶏も旨味が濃厚でありながら、余計な塩分や鶏油のクドさがないため一口また一口と後を引く美味しさ。
合わせる麺は国産小麦をブレンドしたストレートの細麺で、細麺でありながらもちっとした食感もしっかり楽しめるのが特徴。ストレート麺ならではのなめらかなすすり心地で、スープをしっかりと引き上げながら口へと滑り込んでくる心地よさが楽しめます。
麺の中央には薄切りの低温調理のチャーシューが立体的に盛られ、まるで器にピンクの花が咲いたかのよう。じつはこの盛りつけは見た目だけでなく、低温調理のチャーシューにスープの熱が通り過ぎないようにするための工夫でもあるそう。鶏チャーシューも乗っているので、お肉をガッツリ噛みしめる食感はこちらでどうぞ!
トッピングで特筆したいのは海苔の香りの良さ。じつはお父様の寿司店の仕入れ先に「ラーメンに使う海苔を」と頼んだもので、スープの旨味に負けない存在感はさすがのクオリティ! 青みを添える三つ葉の香りも、しょう油と地鶏の和のテイストに調和したベストチョイスと言えます。
地元名産の木桶仕込みのしょう油と地鶏という素材の良さもさることながら、どこか一本筋の通った和食のバックボーンが感じられ、名店と呼ばれるのも納得の一杯です。
「中華そば 四つ葉」で忘れてはいけないのがサイドメニュー。「にぎり寿司(400円)」や“漬け”を使った「まぐろ丼(450円)」など、本格寿司店の味が楽しめるご飯物にも注目ですよ!
彩の国ラーメン紀行
中華そば専門 とんちぼ
【埼玉県日高市】
曼珠沙華の名所・巾着田のすぐ近くにある「中華そば専門 とんちぼ」。学生時代にラーメンに出会いその魅力にとりつかれた店主が生み出した「家系と和風醤油のハイブリッド」の味が楽しめます!
彩の国ラーメン紀行
西山屋
【埼玉県飯能市】
飯能市の住宅街にある「西山屋」をご紹介! 土日祝日のみの営業ながら、ラーメン以外のメニューも豊富で、全国各地からお客様が集まる名店です。
彩の国ラーメン紀行
ラーメンつけ麺 奔放
【埼玉県東松山市】
今回紹介するのは「ラーメンつけ麺 奔放」。北海道産を中心に5種類前後の小麦粉をブレンドして毎日自家製麺している麺が自慢で、スープはもちろんトッピングまで手作りにこだわり、おいしいラーメンとつけ麺を提供しています。
彩の国ラーメン紀行
中華そば 深緑
【埼玉県東松山市】
人気店「中華そば 四つ葉」の店主がオープンした別店舗をご紹介。人気店の枠組みを気にすることなく、好きな食材だけを使ったラーメンを生み出したい、という店主の探究心が凝縮された一杯が楽しめます。
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